OBServe事例)SRE/オブザーバビリティよろず相談:自動化やトイル削減で売上が下がるのは困ります
SREやオブザーバビリティについて、X-Tech5に寄せられたご相談事例を紹介します。
目次
相談者
- MSP事業者のマネージャさん
- 社内でSREやオブザーバビリティというキーワードが飛び交っている
ご相談内容
業界として、SREの「システムやサービスの規模に対してリニアにOpsの人数が増えていくのをなんとかしたい」というニーズはよくわかります。トイル削減や自動化は非常に魅力的で、特に作業ミスの抑止・低減に興味があります。
しかし弊社はいまのところMSP・運用支援で想定工数に応じた運用費をいただいており、業務効率を向上させ同じ結果に対しての所要時間が短くなると、売上が減ってしまいます。
トイル削減や自動化の取り組みは素晴らしいのですが、それで所要時間が30%空いたとして、現状が1人月単位のアサインであり0.3人月単位の仕事はないわけで、結局アサインが浮くだけになってしまいます。となるとやらないほうが事業的には安定するので、取り組まないモチベーションになってしまいます。
どうしたらよいでしょうか?
ご回答
これはSREの話ではなく事業/経営の話ですから、事業運営/経営の視点で考えてみてください。
まず、同じやり方での新規売上獲得機会は今後減っていくでしょう。既存売上については、お客さまのリテラシが高くなりお客さまから自動化の要請があったら、MSPとしては対応せざるをえませんよね。遅かれ早かれ対応することになると思います。そのときにもし自社で対応できない場合、お客さまがMSPを乗り換える可能性がありますから、対応できるようにしておく必要がありそうです。
やりかたが変わるので、メンバーのトレーニングやアンラーニングが必要です。テクニカルスキルもマインドセットもそれなりに変革を伴うので、必ずしも全員がスムーズに能力獲得できるとは限りません。しかしSREは簡単に採用できる職種ではないので、外部採用での戦力獲得はあまり望み薄です。とはいえ社外の一般的な手法が変化しているのに自社だけ時代遅れの手法を継続するのは、メンバーのキャリアにとってリスクですから、若い人や目鼻が効く人ほど退職リスクが高くなります。
いずれにせよ、事業を運営していくなかで外部環境の変化にどう対応するかという話ですから、どのリスクをどのようにリスクマネジメントして、どこにどのくらい投資するか(経営資源を分配するか)を、意思決定して遂行することになります。雰囲気からするといままでフォロワー戦略で資源配分して事業を運営してきたと思います。フォロワーは開拓/挑戦の要素は少ないものの、フォロワーであっても変化しなければならないときがあります。フォロワーなりに変化していきましょう。
一点突破のブースターやしつこく執念深く追い続けるためのペースメーカーとして、わたしたちX-Tech5のような伴走型の外部プロフェッショナルの力を使うのはいい方法だと思います。
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